MEMBERS

About Project Members プロジェクトメンバー

国立大学法人電気通信大学
教授
金子 正秀 Masahide Kaneko
金子 正秀

顔と似顔絵について

我々は「顔」から様々な情報を得ることができます。顔が担っている情報は大きく2つに分けられます。一つは、個人を他の人から識別するための情報です。誰であるか、性別、人種、年代・年齢などが該当します。もう一つは、感情や体調、意思、快/不快など個人の内面の情報が顔に表われてきます。顔の基本的構造は、上から順に額、眉、眼、鼻、口が配置され、誰でも同じです。しかし、一人一人形状や配置には特徴があり、また、同じ個人の顔でも、時々刻々変化があります。これらの情報によって、周囲の人達との日々のコミュニケーションが円滑となり、また、豊かになります。この顔を「絵」として端的に表現したものが似顔絵です。似顔絵にはもともと3つの個性が含まれ、写真とは異なる似顔絵独自の表現を豊かなものにしています。3つの個性とは、似顔絵を描かれる被写体人物の顔の個性、似顔絵を描く画家の個性(画風、被写体人物の顔に対する解釈など)、似顔絵が描かれる素材の個性(紙や絵の具の違いなどを始めとした似顔絵の表示手段)です。これらに加えて、コンピュータ技術の活用により、単に1枚の似顔絵としての描画だけではなく、表情や印象を変化させる、動きを与える、エージェント化する、顔画像の検索など顔応用技術へ発展させるなど、第4の個性を与えていくことが可能になります。FaceMakerを通じて、似顔絵の世界がより一層広がっていくように努めていきたいと考えています。

似顔絵の研究の背景

大学院生時代にディジタル画像処理技術と関わる様になり、その後、40年程、画像処理、画像符号化、コンピュータグラフィックスなど画像関連の研究開発に携わってきました。顔画像を扱うようになったのは、1980年代に顔動画像の知的符号化の研究を始めたのがきっかけです。似顔絵については、1998年から研究を着手しました。最初は、コンピュータで似顔絵が作れたら面白いのでは、という発想でした。研究を進めるにつれて、似顔絵を作成するためには、顔画像からの特徴抽出、抽出特徴の解析・記述・認識、個人特徴の強調、描画、表情・印象等の解釈・操作、顔検索、エージェント等への応用、等々、多くの技術が関わり、また、人間による顔の認知とも関わることから、極めて奥が深いことに気が付きました。「似顔絵を研究すること」は「顔そのものを研究すること」と言っても過言ではありません。

uec.ac.jp